中学受験のために、学習塾に入会します。”子供への教育こそが最高の投資”と将来を思ってのことだと思います。ところが、成績が想定外ですと、
家庭内での考え方の違いが浮き彫りになります。特に、お母さまとお父さまの間です。
その一番の原因は、中学受験のための学習塾の費用が高額ということだと思います。
- 想定外の成績により退塾を主張するお父様。
- お子様は続けたいと言っている。
- お母さまは続けさせたいと思っている。
毎年、毎月、このようなケースは少なからずあります。
このケースについて、私個人の考えを述べてみたいと思います。
進学塾の費用が高い
特に東京での教育費にかける金額の実態は、想像を超えます。公表されている金額、ネットでささやかれている金額との差に
大きな乖離があります。
お金をあまりかけずに済む方法もあります。しかし、教育産業は、教育機関ではありますが、あくまで利益を追求する産業です。
巧みな営業トークに乗せられて、あれもこれも課金することになるのです。そして小学6年次には約120万円以上かけることになってしまうご家庭が増えます。
中学受験、高校受験、大学受験、大学院、海外・・・どのタイミングで、どのくらい教育費用を捻出するのかは、ご家庭次第です。課金ゲームに巻き込まれてしまうと、教育費のほとんどを中学受験に使ってしまうリスクがあります。
高学歴父
高学歴父あるあるですが、ご自分の経歴と比較してしまいます。
自分の子だから、勉強すれば、出来るだろう。
学習塾に入れて、塾代を払えば難関中高一貫校に受かるはず。
普通に勉強していれば、偏差値60くらいあたりまえじゃね?
20年前、30年前と同じ感覚で考えると、危険です。
年々上位層の学力は、上がっています。小4や小5、小6の夏まで成績が良くても、ガクンと下がることはよくあります。
そして、思うような成績を取れない時に、ふと見る偏差値表を見てこんなことを思うそうです。
なぜ、この程度の学校に行くのに、ここまでお金と時間を使わないといけないのだろう。
コスパ悪すぎ。
高学歴母
経験上、今まで高学歴のお母さまは、ご自分の出身の学校名を自ら口にする方はあまりいらっしゃいません。
ふとした会話から、難関国立付属中高出身、御三家出身とわかり、驚くことがあります。
高学歴でなくても、聡明な方が多く、そのような方ほどお父様とお子様の板挟みで苦しんでいるように見えます。
こんな成績ならば、塾をやめさせる!
頑張っているのに、勉強しているのに、塾大好きなのに・・・・・
今は、フルタイム勤務の方が増えてきていますが、まだまだご家庭との両立が厳しく、時短で働く方が多いようです。
そのような場合、夫婦での金銭での力関係が、影響します。
中学受験をする、しない。塾代金はどうするか。
家計の主導権
家計の主導権を、お父様が握っている場合。
進学塾を続けさせたいと考えているお母さまは、不満を抱えてつらい時間を過ごすことになります。
フルタイム勤務をあきらめて、家族のために頑張っていらっしゃる方も多いかと思います。
それなのに、「金銭の主導権は夫にある。」という事実をつきつけられると、モヤモヤしますよね。
進学塾をやめた方が良い場合
- 「超難関校に入れるために、中学受験をする。」と決めていたご家庭。
- 成績が思ったほど良くない。
- 今後の伸びも、思った以上には期待できない。
- 教育費用に対して、家庭内で温度差がある。
勉強も、受験も続けるために、必ずしも高額な進学塾に通う必要はありません。
お父様のおっしゃるように、コスパという点だけで考えると、損切を考えることも大切だと思います。
注目すべき点は、コスパという点では、ということです。つまりどういうことかといいますと。
教育費として捻出可能金額がある程度ある場合、
費用対効果を子育てに持ち込むことについてのデメリットも考えられるということです。
価値観はそれぞれですが、子ども目線でも考えてみてください。
子どもの気持ち
実は、ここが最も大切です。
11歳12歳の子どもが、20~30歳になるのは、本当にあっという間です。
そして、親子の関係が、ずっとこのまま続くことはほとんどありません。いつの間にか、子どもは大人になっています。
その時に、お子様がどう考えるか。
その後の人生が上手くいった場合。
中学受験は上手くいかなかったけれど、いい経験だった。勉強習慣がついた。
その後の人生に不満がある場合。
お父さんの思ったような成績が取れなかったから、塾やめさせられた。
あの時に、続けさせてくれたら。と、恨みに思う。
親が出来ること
自分の子どものことになると、どうしても感情的になります。
しかし、あっという間に月日が流れます。
お子様が、5年後10年後に「まさか、こんな風になるとは思わなかった。」
思わぬつまづき、挫折、反抗・・・・
そんなことがあるかもしれません。そんな時に、
親としてやれるだけのことをやった。出来る範囲で、子どもを向き合った。
という実感がもてるかどうかです。
なぜあの時に、頭ごなしに塾をやめさせてしまったのだろう。
もっと話し合うべきだったかも
なぜ、もっと家族で話をしなかったのだろうと、親自身が自分を責めたり後悔したりすることになります。
どんな選択でも
受験産業に流されて、不本意に高額な費用を払う必要があるかどうか、もう一度考えてみてください。
今現在、2つ選択肢があるとしたら、
- 進学塾に通い続ける場合
- 条件をつけるよりも、お子様の勉強に対する意欲をみてください。
- もっとお金のかからない方法で、負担なく勉強を続ける。
- 算数特化塾、英語の先取り、動画配信サービスの利用、その他。
どちらを選んでも、後悔が少なくなるように、引きずらないようにすることが大切です。
家庭の事情で続けることが出来ないのでしたら、丁寧にお子様に説明してください。
塾を続ける、辞めるにせよその選択のおかげで、
「次のステップがより良いものになった!」
そう思えるように、お子様を見守っていくことが大切だと思います。