NHKのドラマ10『しあわせは食べて寝て待て』。
これがもう、私の人生に「薬膳」という新たな扉をぶち開けてくれた運命のドラマなんです。
でも、それだけじゃない。
劇中に出てきた「やっと、自分を大切にできるようになった」という言葉。
これがもう、私の心にど直球で突き刺さって、しばらく抜けませんでした。
ここから先は、まだ観てないよ!という方のための「ネタバレ注意報」を発令します。 心の準備ができた方だけ、読み進めてくださいね。
簡単なストーリ紹介
セリフの背景と、私を揺さぶった意味 主人公のさとこさんは、一生付き合っていかなきゃいけない膠原病という病気を抱えています。
これまでの「当たり前」だった仕事や将来の設計を、ゴリゴリと削り取られるように変えざるを得なくなった彼女。
これまでは「誘いを断るなんて冷たいやつだと思われる」「もっと頑張らなきゃ」と、他人の評価という名の荒波に揉まれながら、必死に自分を後回しにして生きてきました。
でもある日、友人の長電話や誘いを「体を休めるため」に、勇気を出して、はっきりと断るんです。
その時、彼女は自分を責めるんじゃなく、こう気づきます。
「やっと自分を大切にできるようになったんだ」と。
物語の終盤、自分の体と心に真正面から向き合った彼女がたどり着いた、「やれるだけやった。そう思うことにします」という境地。
「自分を大切にできるようになった」 「やれるだけやった」 この魔法みたいな言葉たちに、私はどれほど救われたことか。
気がつけば、私も自分のことをずっと後回しにする人生を爆走してきました。
59歳で夫が旅立ち、60歳になった今。正直、お金はない。
けれど、その代わりに「自分のことを考える時間」という、とんでもなく贅沢なものが手元に残りました。
そんな時に出会ったのが、このドラマだったんです。
ストーリー、俳優さん、音楽。 もう、何から何まで私の好みのど真ん中を射抜いてくる「ドンピシャ」の嵐。
そして、この物語の背骨となっているのが薬膳料理です。
丁寧な暮らしの中に、ちょこんと添えられるお野菜。
限られた予算の中で、知恵を絞って薬膳を取り入れる工夫。
舞台となる団地の、あのちょっとお節介で、でも温かい、濃密な人間関係。
その中で描かれる「年を重ねる人たちの生き方」が、もう、他人事とは思えなくて。
「70代になったら、何してる?」
ある日、ドラマの中で70代の女性が「仕事の面接に行くの」と、それはそれはチャーミングに話すシーンがありました。
その話をさとこさんが職場で何気なく振ってみると、若い同僚たちの本音がポロポロと溢れ出します。
これがまた、最高に興味深い。
20代の女の子は、 「私だったら、お気に入りの本を読んでのんびり過ごしたいなぁ〜」 なんて、優雅で素敵な夢を語ります。
一方で、20代の男の子は、 「僕はバリバリ働いていたいっす。仕事をやめたら、自分が世間から見えなくなる『透明人間』になりそうで怖いんですよ」 と、社会との繋がりを求めて震える。
見事なまでに、真逆! でも、どちらも嘘偽りのない、真っ直ぐな本音。
彼らにとっての半世紀先は、もはや宇宙旅行くらい遠い未来の話。想像の翼を広げて語る姿が、なんだか愛おしくて、微笑ましくて。
気がつけば、70代が「ちょっと先の未来」に?
そこで、ふと私も「自分の70代」を想像してみました。 というのも、私、もうすぐ61歳。 あんなに遠くに見えていた70代が、いつの間にか「未知の領域」から「すぐそこのリアル」に、音を立ててシフトしてきたんです。
「働きたい人は、いつでも楽しく働ける」 「のんびりしたい人は、心ゆくまでのんびりできる」
それが理想なのは百も承知。
でも現実は、年金がわずかな私の前で「働かざるを得ない」という現実が、手招きをしています。
でも、まあ。 さとこさんのように「自分を大切に」しながら、工夫して、笑って、やれるだけやってみようかな。
そんなふうに思わせてくれる、大切な物語のお話でした。
そして薬膳料理というものに、興味を持つきっかけになったのでした。
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